神奈川県は東海道の宿場町をたくさん抱えていた過去があり、同県は未だに人々が駕籠(かご)で移動していると本気で信じている。
「尻手黒川道路」はそんな誤解のもと運用される欠陥道路で、日中は''ホーチミン・サイゴン中央市場''になる。
ある日タクシーを走らせていると、この通り沿いの飲み屋に呼ばれた。
乗り込んできた建設会社の社長を自称する人物は、こちらの顔を見て「若いねえ!!!いくつ?」と言うので、「23歳です」と返す。
「ええ!? 23歳!!?」
皆さんご存知かと思いますが、23歳以上の人は23歳だったことがあります。
また同じ年齢の日本人は126万人いて、確かに少ないがヤンバルクイナの個体数よりは多い。
当然、タクシー運転手の就労人口に占める20代の割合が1%程度であることを踏まえた発言だと思うが、そんなステレオタイプ的に驚かなくても... (うるさいし)
年齢の話になると必ず乗客の''なつかしスイッチ''が押され、そうなるとその後がラクでいいんだが、この時はさらに話が具体的になった。
「俺が20代に戻れるとしたら、いくらまで出すかなあ...」
突然見積もりを取ることになった。
社長になった人物が、人生の伸び盛りとされる時期にどんな値段をつけるのか、結構興味がある。
ルームミラーに視線を送る。
「1,000万だな!1,000万! 1,000万までなら出す。戻りたいね、20代に。」
は?
1年あたり100万しか出さないの? 1か月83,000円くらい。
ええ~~... じゃあ俺たちは毎月8万円多く支出して遊んだら後悔しないことになっちゃうじゃん。
現実的すぎる回答が印象に残り、その後のことを何も覚えていない。
20代の価値なんて大したもんじゃない。
23歳でも安心してタクシーに乗ることができた。
引用:
ゆんフリー写真素材集 : No. 16034 バイクの波 [ベトナム / ホーチミンシティ] (yunphoto.net)